妄想と現実
今から4年前、私はニュージーランドを旅していた。
バックパックにテントと寝袋を詰め、ヒッチハイクで南島をまわっていた。
自分でテント張って寝れば宿泊費かからないと思ったが、テント場のほとんどは有料だった。テント場以外でテントを張った場合、見つかったら逮捕されてしまう。
ほとんどお金を持たずに旅に出たので、毎晩お金のことが心配でなかなか眠れなかった。
さて、本題に入る。
私がニュージーランドに来た一つの理由は、結婚式に参加するためだった。高校生の時に短期留学した時のホストファミリーが結婚したのだ。
ここで起きたある事件を紹介しよう。
時は遡って、結婚式の日。
テニスコートやプールがある大きな実家で、式は挙げられた。教会ではなく、家で挙げる結婚式は初めての経験だった。
さて、式が終わり大音量で音楽が鳴り、夜遅くまでパーティーが催された。
私は一人、家の猫と遊んでいた。周りに人はいなかった。そこで、一人の女の子が私のところへやってきて、財布を失くしたから一緒に探して欲しいと言ったのだ。
もちろんそれを拒否する理由は無いので、彼女の後ろについて一緒に探し歩いた。そこで、誰もいない部屋へ行き、彼女はドアを閉めて私の股間に手を当てた。
私は察して、それを拒んだ。
以上が私が経験したことである。
しかし今思い返すと鮮明に記憶が蘇り、あの時別の選択肢を選んでいたらどのようになったのかと想像すると、とても興奮する。
私はこのように、人生の経験を積み、過去を振り返り、現実に起こりえなかった選択を頭の中でシミュレーションする時がある。
頭の中であれば、1から10を創造することが出来るのである。